HCFC-225代替の注目商品 | 蔵町工業株式会社
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「CELEFIN® 1233Z」について

セントラル硝子株式会社が製造するフッ素系溶剤でHCFC-225代替品としてご使用頂けます。
フッ素有機化合物ハイドロフルオロオレフィン(HFO)と呼ばれるフッ素有機化合物で、オゾン層破壊係数(ODP)ゼロ及び、地球温暖化係数(GWP)が極めて低い製品です。

はじめに

フッ素系の溶剤・洗浄剤分野では、オゾン層破壊係数(ODP)の高いHCFC-225や、地球温暖化係数(GWP)の高いHFC類、HFE類が使用されています。環境負荷の高い溶剤に対する規制が強化される中で、これらを代替するゼロODPと低GWPを両立した地球環境に優しい製品が求められています。

これまで、洗浄力を求める分野では塩素系の塩化メチレンや臭素系の1-ブロモプロパン等が使用されていますが、近年、毒性(発がん性)問題が明らかになり、安全面における規制が強化されています。
このような中、セントラル硝子は「環境性」、「洗浄性」、「安全性」、「取扱性」の全てに優れた新たなフッ素系溶剤 「CELEFIN® 1233Z(HFO-1233zd(Z))」を提案します。

1233Zの分子構造

「CELEFIN®」(セレフィン)とは

CELEFINE®は、「Central Glass が提案する Hydro-Fluoro-Olefin (HFO)材料」の総称!

ハイドロフルオロオレフィン(HFO)とは、炭素(C)、 水素(H)、フッ素 (F)を含み、分子内に炭素一炭素の二重結合を有するフッ素系化合物です。HFOは大気寿命が非常に短いため、ゼロODPと低GWPを両立する環境に極めて優しい物質です。
HFOはCFC及びHCFC (特定フロン)、HFC(代替 フロン)を代替する次世代のフッ素系化合物です。

1233Zは「ノンフロン」に該当します。

フロン排出抑制法(改正フロン法)の規制対象となりません。※
※「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」、2015年4月1日施行

主要物性と関係法令

項目 単位 1233Z
沸点 39
凝固点 -101
蒸発潜熱(沸点) KJ/kg 210
比熱(25℃) kJ/kg・K 1.21
密度(25℃) g/㎤ 1.31
粘度(25℃) mPa・s 0.37
表面張力(20℃) mN/m 17.9
許容濃度※1 ppm 100
引火点 なし
燃焼範囲※2 vol% なし
体積抵抗率 Ω・m 4×107

※1:8時間荷重平均値
※2:測定方法 ASTM E681

KB値
(カウリプタノール)
34
オゾン層破壊係数
ODP(CFC-11=1)
≈0
地球温暖化係数
GWP(100年値.CO2=1)
-/td> 1
関係法令 該当・非該当
改定オゾン層保護法 非該当
地球温暖化対策推進法 非該当
消防法(危険物) 非該当
毒劇法 非該当
PRTR法 非該当
フロン排出抑制法 非該当
高圧ガス保安法 非該当
労働安全衛生法
・有機則
・特化則
非該当

特徴

  • 1.ゼロODP

    ODPは実質的にゼロであり、オゾン層を破壊しません。

  • 2.低GWP

    GWPは二酸化炭素(CO2) よりも低く、地球温暖化への影響が極めて軽微です。

  • 1.洗浄力

    KB値=34であり、オイルの溶解性に優 れています。

  • 2.乾燥性

    適度な沸点を持ち、蒸発潜熱が小さく、乾燥性に優れています。

  • 3.浸透性

    表面張力が小さく、精密洗浄にも適します。

環境性 安全性 洗浄性 取扱性
  • 1.不燃物

    引火点と燃焼範囲がありません。

  • 2.低毒性

    許容濃度は100ppmです。

  • 1.液管理

    添加物を含まない純物質であるため、液管理(蒸留再生など)が容易です。

  • 2.設備

    既存のフッ素、塩素、臭素系の洗浄機をそのまま使用可能です。

  • 3.関係法令

    PRTR法、労働安全衛生法等の法令に非該当です。

用途事例

  • ・金属加工部品の脱脂洗浄
  • ・フッ素オイル・樹脂の溶剤
  • ・電子部品の洗浄
  • ・シリコーンオイルの溶剤
  • ・フラックス洗浄
  • ・ドライクリーニング溶剤
  • ・精密洗浄、パーティクル除去
  • ・水切り剤
  • ・表面保護剤(防錆剤など)の除去
  • など

溶解性・相溶性(以下のオイルの溶解性や溶剤との相溶性に優れています)

オイル
切削・研削油
打抜工作油
防錆油
冷凍機油
圧縮機油
タービン油
シリコーンオイル
溶剤
炭化水素 n-ヘキサン アルコール メタノール 塩素系 塩化メチレン
シクロヘキサン エタノール トリクロロエチレン
メチルシクロヘキサン イソプロピルアルコール フッ素系 HCFC類
シクロベンタン ケトン アセトン HFC類
n-ヘブタン エステル 酢酸エチル HFE類
n-テカン エーテル ジエチルエーテル 臭素系 1-プロモプロパン
トルエン

※メーカーや型番により、結果が変わることがありますので、現物材料で事前確認をお勧めします。

脱脂性能(以下のオイルに対して高い脱脂性能を示します)

・試験方法:SUS製金網に各種オイルを塗布した後、溶剤に5s,30s間浸漬し、引上げ乾燥後に重量を測定し、除去率を算出。

・評価方法:除去率 ○:95~100wt% △:80~95wt% ✕:0~80wt%

オイル 1233Z HCFC-225ca/cb HFC-365mfo HFE-7100
浸漬時間 5s 30s 5s 30s 5s 30s 5s 30s
切削油
スピンドル油
作動油
シリコーンオイル

※メーカーや型番により、結果が変わることがありますので、現物材料で事前確認をお勧めします。

熱安定性(40°C×28日間の熱安定性は良好で、水が混入しても分解しません)

・試験方法:1233Zを「水添加なし」または「水添加あり」で、40°C×28日間保持。

・評価方法:純度、酸分、F、CI、色相

溶剤 水の添加 純度 酸分 F Cl 色相
1233Z なし 変化なし 変化なし 変化なし 変化なし 変化なし
あり 変化なし 変化なし 変化なし 変化なし 変化なし

※溶剤100重量部に対して水を1重量部添加。

主要物性の比較

下記の表は横スクロールをしてご覧いただけます。

項目 単位 1233Z HCFC-225ca/cb HCFC-141b 1-ポロモプロパン HFC-365mfc 塩化メチレン
基本物性値 分子式 C3H2ClF3 C3HCl2F5 C3H3Cl2F C3H7Br C4H5F5 CH2Cl2
沸点 39 54 32 71 40 40
凝固点 -101 -131 -104 -110 -35 -95
蒸発潜熱(沸点) kJ/kg 210 145 221 246 177 329
密度(25℃) g/㎤ 1.31 1.55 1.23 1.35 1.26※4 1.32※4
粘度(25℃) mPa・s 0.37 0.59 0.42 0.49 0.53※4 0.43※4
水の溶解度(25℃) ppm 640 310 420 500 900※4 1400
水への溶解度(25℃) ppm 950 330 660 2500 5000※4 13000
表面張力(20℃) mN/m 18 16※3 19 26 15 28
洗浄力 KB値(カウリプタノール) 34 31 58 125 13 136
SP値(溶解バラメーター) [cal/㎤]½ 7.9 6.9 7.6 8.9 7.3 9.7
環境性能 オゾン層破壊係数(ODP)※1 CFC-11=1 ≈0 0.03 0.11 0.0049 0 0.007
地球温暖化係数(GWP)※2 CO2=1 <1 127/525 782 0.3 804 9
大気寿命※2 12日 1.9年/5.9年 9.2年 11日 8.7年 0.4年
安全性 引火点 なし なし なし なし なし なし
燃焼範囲 vol% なし なし 9.4〜15.5 4.0〜7.8 3.6〜13.3 14〜22
許容濃度(メーカー暫定値) ppm 100 100 500 0.5※5 1000 50※5

※1:経済産業省ホームページ等
※2:IPCC第5次評価報告書(2013)等
※3:25°C測定値
※4:20°C測定値
※5:日本産業衛生学会勧告値

関係法令の比較

関係法令/該当・非該当 1233Z HCFC-225ca/cb 1-プロモプロン HFC-265mfc 塩化メチレン
改正オゾン層保護法 非該当 該当 非該当 該当 非該当
地球温暖化対策推進法 非該当 非該当 非該当 該当 非該当
消防法(危険物) 非該当 非該当 非該当 非該当 非該当
毒劇法 非該当 非該当 該当 非該当 非該当
PRTR法 非該当 該当
第1種
該当
第1種
非該当 該当
第1種
フロン排出抑制法 非該当 該当 非該当 該当 非該当
高圧ガス保安法 非該当 非該当 非該当 非該当 非該当
労働安全衛生法
・有機則
・特化則
非該当 非該当 労安令(別表第9)
表示・通知義務
対象物質
非該当 該当
第2種

※「特定物質等の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」、2019年1月1日施行

荷姿

ベール缶:20L NET重量:22kg ドラム缶:200L NET重量:230kg

取扱い上の注意事項

ご使用前に必ず安全データシート (SDS) をお読みください。

  • 保護マスク着用

  • 保護メガネ着用

  • 耐薬品保護手袋着用

  • 高温保存禁止

取扱い上の注意
  • ・皮膚の露出は避け、保護マスク、保護メガネ、保護手袋を着用して取り扱ってください。
  • ・蒸気の発散を抑え、適切な換気を行い、作業環境を良好な状態に保ってください。
  • ・転倒、転落等の衝撃、粗暴な取扱いはしないでください。
  • ・栓を開けた際、液が中から噴出することがあるため、充填容器は静かに開閉してください。
  • ・直射日光や火気を避け、換気の良い冷所に保管してください。
  • ・環境へのむやみな放出を避けてください。
  • ・内容物/容器は関係法規に従って廃棄してください。
応急処置
  • 吸入した場合:高濃度ガスを吸入した場合、直ちに新鮮な空気の場所に移し、毛布等で保温安静にさせてください。 呼吸に異常が認められる場合は衣服を緩め気道を確保したうえで、人工呼吸を行う。また、場合によっては酸素 吸入を行ってください。
  • 眼に入った場合:直ちに清浄な流水で15分間以上洗眼してください。
  • 皮膚に付着した場合:濡れた衣服を直ちに脱がせる。付着部を多量の水を用いて15分間以上洗浄してください。
    必要であれば患部を穏やかに温めて凍傷の処置を行ってください。
  • 飲み込んだ場合:飲み下した場合、無理に吐かせないでください。
  • ※いずれの場合も症状が遅れて現れる場合がありますので直ちに医師の手当てを受けてください。

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